「…最悪……今日クリスマスイヴだよ? イヴなのに…」
「風邪引いちゃ仕方ないだろ。いいから布団入ってな」
苦笑いしながらをベッドへ誘導するガイ。
「だってせっかく雪降ってるのにさー」
「熱あるんだし、頼むから大人しくしてくれよ…」
< 聖夜の眠り姫 >
はベッドの中から、窓の外を降る雪を見つめていた。
「ねぇガイ、外寒かった?」
「めちゃくちゃ寒いさ。凍るかと思ったよ」
「…わざわざ来てくれて、ありがとね…」
「……がお礼なんて…熱、上がったんじゃないか?」
「余計なお世話よ!」
病人とは思えないほど元気な。
「ほら、これあげるから。俺が作ったんだぜ?」
「!」
ガイから手渡された紙袋を開けると、中には美味しそうなクッキーが入っていた。
「ガイが…作ったの…?」
「…そうだよ///」
「たっ、食べれるの…!?」
「どういう意味かな?」
照れながら言うガイに、は笑いを零した。
「…うん、美味しいっw」
「そっか? 美味いか?」
「すごい美味しいよ! とっても優しい味…」
ガイの気持ち、いっぱい詰まってる。
「じゃぁ俺も一つ…」
「ねぇ、ガイー……」
「ん?」
「キスして?」
「ぶほっ!!」
の急な発言に、ガイは含んでいたクッキーでむせ返った。
「な、何を急に…っ/// ていうか、それは俺が女性恐怖症って知った上の発言か!?」
「だってガイ、私には触れても大丈夫じゃない。私たち付き合ってどれくらい経つと思ってんの?
私としては未だにハグで止まってるのが不満なのよね」
「なぁ、、お前絶対熱上がってるって。頼むからもう寝て…///」
「駄目なの……?」
赤い顔でガイを見上げる。
それは熱のせいか、
それとも…
「………」
「……んぅ…」
優しく、触れる程度に、
「ガイ……///」
確かに、唇は交わされた。
「…恥かしいって…///」
「でも…嬉しい………」
は安心したのか、やっと眠りに着いた。
「………早くよくなれよな…」
ガイはの前髪に触れた。
「……本当は我慢してるだけなんだから……///」
外は雪。
降り積もる、白い雪。
眠り姫の白い頬は、
今宵、赤く染まりゆく。
end.
■あとがき■
クリスマスの季節夢…
なのに書き終わったのは1月ってどういう事だ自分。
いや、確かに書き始めたのはクリスマス前だったんですよ。
…………スイマセン((汗