言葉の一つ一つが君を傷つける。




動作の一つ一つが君を喜ばせる。









言葉で君を愛す事ができたなら……

















































<言葉より強引に>





















































「ねぇねぇフェイタンw」



「逐一煩いね。は黙る事知らないか」



「知らないもんっw」




そう言って抱きついてくる










「ねぇねぇフェイタン。あたし今から帰郷するの。一緒に行こうよ!」



「勝手に行くね。何故ワタシが着いて行かなくてはならないか」



「来て欲しいんだけどなァ…駄目?」







解りやすい程に気持ちを伝える




正反対に、フェイタンはその熱い想いを伝える術を知らない。











「…お前は帰る所があるだけ幸せね」




「!」





そうやって、口を開けば傷つけてしまう。










「そ…だね。皆…あたしとは、違う…。ごめんねっ」







は小走りにその場を後にしようとし――






「!」








咄嗟に、フェイタンはその腕を引いた。











「……」



「フェ、イタン……?//////」







の声に はっとし、フェイタンは手を離した。









「何でも無いね。――ささと行けばいいよ」







行動と言動の裏腹。




歯痒い思いをしながらも、どうすればいいか解らず。










「うん……――ばいばい…?」






悲しそうな声が響き、フェイタンは振り向いた。










…?」








そこにはもう、はいなかった。











 

















































いくつの時が経ったのだろうか。







「団長、まだ帰て来ないか」







は中々、アジトへ帰ってこない。








「…案外てこずっているのかもな」



「てこずる? 何にか?」










「……お前、から聞いてないのか?」









クロロから放たれた言葉を聞き、






「!!」









フェイタンはアジトを飛び出した。



















――故郷にキメラアントが巣くったと連絡が入り、退治しに帰った……















「何で言わなかたか……」








――来て欲しいんだけどなァ……












「……ワタシと同じで、も言葉足らずね」







眉をひそめながら、フェイタンは夜に走った。















































の故郷に着いたのは、日の昇りかけた朝だった。





フェイタンは、久しぶりの日の光を眩しく感じながら、村の中を歩いた。








「! そこの餓鬼、待つね」





フェイタンは朝の散歩をしていた子供を掴まえた。









「だ、誰だよーっ、お母さ…」




「話聞くだけね。暴れるんじゃないよ。……お前、知らないか」






その名を聞き、子供は動きを止めた。







姉ちゃん…? お前、姉ちゃんが言ってた…フェ、フェイタン…? …か!?」



「お前、の弟か?」




「ち、違うけど…お前、フェイタンなんだな! そうなんだな!?」





必至にフェイタンに詰め寄る子供。






「そうよ。…何をそんなに熱くなてるか」




姉ちゃんが大変なんだ!! 早く、行ってあげてよ!!」




子供の言葉に、今度はフェイタンが反応する。







「――今すぐ案内するね」











 






「ここだよ」



子供はの家まで案内すると、よろしくとだけ言って走り去った。








「……」




フェイタンは扉を開けると、暗い家に電気をつけた。









?」




名を呼ぶが、返事が無い。





家族の気配も無く、フェイタンは家の中を進んだ。













階段を登ると、灯りのついている部屋が見えた。






「…?」




「!」




部屋に入ると、ベッドで眠っているの横に、同じくらいの歳の女の子が居た。









「だっ、誰…!? ……って、あ、フェイタンさんですか…?」





さっきの子供のような反応をし、女の子は席を立った。








、寝てるのか」




「あの…は……ずっと、意識不明のままなんです」




「何…?」




「化け物退治しに行ってから…ずっと……」







フェイタンは、横たわるを見つめる。







「村の入口で、あたしが見つけて…その時の傷はもう治ったけど、意識はまだ戻らなくて…」



「…親は?」



に家族はいません。――この村に捨てられたんです」





「!!」










が…あなたにメッセージを残してます」






女の子はタンスから紙切れを取り出した。







「あたし…帰りますね」




女の子はとフェイタンを残し、家を出た。











「……」



フェイタンは紙切れを開く。










――フェイタンへ。


  もし、あたしが帰ってこなかったら、来てくれるよね?


  そんな期待を込めて、手紙書いてたりします。


  …来なかったらどうしよう?


  うわぁどうしよう!!


  ま、いっか。来てくれるよね!!――










「……」




陽気な手紙に、フェイタンは溜め息をつく。











――あたしは今からキメラアントと戦ってきます!


  正直ちょっと、ドキドキしてる。


  勝てるかな?


  だからフェイに来て欲しかったんだよ!!


  えへへ、ちょっと逆ギレ……


  本当は、あんまし、勝てる気しない…


  蜘蛛の団員が何言ってんだろね――








文字が震え出していた。




フェイタンはの手を取りながら読み続けた。








 






――フェイタン…来てくれるかな…


  何か来てくれないような気のほうがするので、勝手に色々書いちゃいます!


  心残りがあるとすれば、あなただけだよ。


  あなたがいないなら、ここで死んでも悔いは無い。


  でもあたしはフェイタンが好きなんだよ!


  …うわぁ書いちゃった!!!


  でもいいよね。多分、見てもらえないだろうし…


  じゃぁ、そろそろ行って来ようかなッ


  …ホントは、ちゃんとフェイ本人に言いたかったよ……。――










は…馬鹿ね」







繋いだ手に力が入る。




「!」









「フェイ…タン……?」




!?」







フェイタンはの手を包み込み、顔を覗き込んだ。












「え…? あたし…生きてるの…? って、フェイ……え、ここどこ……」




「何混乱してるか。ここはお前の家。ワタシはワタシよ」








はフェイタンの言葉に顔を赤くさせた。








「ってことはアレ見ちゃったの!!??//////  あぅ……っ」



叫びながら勢いよく起きるだが、眩暈を起こしてまた倒れこむ。






「無理するんじゃないね」



「だって…見ちゃったんでしょ……」






依然赤い顔をしながら、は布団に顔を隠した。









「…負けたのか?」



「勝ったよ!!!////  ってか聞くポイント違うよ!!!」




布団の中から叫ぶ









「…ちゃんと顔出すね」



フェイタンは布団を剥ぎ取る。






「な、何するの…っ  !!」










フェイタンは一瞬での上に馬乗りになり――キスをした。












「……オツカレサマ、ね」



「フェ、フェイタン…?//////」






さらに顔を赤くし、フェイタンを見つめる











「…言うより、した方が早いね」




「それって…返事って、事?//////」









フェイタンはゆっくり頷いた。








「…好きだよ、フェイタン。…負けないで良かった……っ」



は涙を流しながら言った。







に涙、似合わないね」



フェイタンはの涙を拭き取ると、もう一度口付けた。













「笑てるのほうが可愛いよ」









「ほ、本当…?//////」





「その顔も可愛いね」









フェイタンはニヤっと笑い、何度も何度も唇を重ねた。


























言葉に不器用で、行動も強引で。








そんなフェイタンのバランスがとれるのは、だけ。
























end.