「、買い物行くよ」
「はボクと映画を見に行くんだよ☆ ね? v」
「ワタシの方が先約ね」
「……どっちとも約束してませんけど」
<レトロジカル・ゲーム>
最近、ヒソカ・フェイの二人からのお誘いが絶えない。
「何だってのよ、まったく…」
「」
呼ばれて振り返ると、そこにはフェイ。
「次の月曜、空けとくよ。いいね」
「うわっ、いきなり命令ですか。てか何で」
「遊びに行くよ。少し遠出したいね」
「私はしたくない」
そのまま光速移動でその場をやり過ごす私。
蜘蛛の中で、私のスピードに勝る奴はまずいない。
「撒けた…っと」
広場まで逃げて、私は息をついた。
「見ぃつけたw」
「!!」
背筋にぞわっとしたものを感じ、振り返ると、そこにはヒソカがいた。
「ミスったぁ…っ、ちゃんと円しながら走るんだった」
私は舌打ちをしながら広場を後にしようとして…
「待ちなよ♪」
あっさり掴まった。
私は走るまでに隙が多いらしい。
「今度の月曜日、空けといてくれるかい?」
「絶・対・やだ。」
「言動まで早いねぇw どうしてだい?」
「面倒くさい。だいたいあんた達と出かける理由も義理もない」
「達…? ふぅん、じゃぁ、彼もキミを誘いに来たんだ?」
「? いいから手ぇ離して。もう行くから。んでから月曜は行かないから」
私は腕を ばっと引くと、持ち前のスピードでヒソカから逃げた。
「何で二人とも月曜なんだぁ…?」
私は自室のベッドに転がり、二人の言葉を思い出していた。
『次の月曜……』
『今度の月曜日……』
「月曜…何かあったっけぇ……?」
思い返してみるけど、何も思い出せない。
「……まぁいいや。とにかく予防線張っとかなきゃ」
私は部屋を出て、団長の部屋へ向かった。
「団長ー。月曜、何か仕事ちょうだい」
「仕事?」
本を片手に、団長はあたしを見た。
「そう。あたし一人でもできてぇ、それでいて一日かかるくらいの」
「……またそんな都合のいい条件を……しかしいいのか? 月曜はお前…」
言いかけて、団長は止まった。
「何?」
「いや…オレから言う事ではない」
「何それっ。気になるなぁ、もう」
「まあ気にするな。……そうだな、じゃぁ、幻獣の毛皮でも取ってきてもらおうか」
「幻獣? あぁ、前に団長が言ってた、綺麗な模様のケモノ?」
「ああ。なら一人でも大丈夫だろう」
「オッケw まっかせといてよ!」
私は小走りで団長の部屋を後にした。
当日。
「な、ん、で。……あんた達がいるわけ?」
何が何処で間違ったのか。
幻獣の巣を間近に、私の後ろにはヒソカ・フェイがいた。
「ワタシを撒けると思たか? その気になれば、着いて来れるよ」
「追いつけないけどねぇ☆」
クスクスと笑うヒソカを見て、フェイは溜め息を一つ着く。
「お前は来なくていいね。ささと帰るよ。と仕事するのワタシだけで充分ね」
「キミこそ怪我しない内に帰りなよ♪ を守るのはボクだけでいいvvv」
「……あぁもぉッ!! 解ったわよっ、二人ともいていいからそのギスギスしたオーラ仕舞って!!」
私は二人の空気を感じ取り、嫌々ながらも仕事の参加を許可した。
「…ならヒソカ、賭けて勝負よ」
「ちょっ・・・ならって何!? は!? 勝負!?」
「おもしろそうだねぇ…w じゃぁ、獲物を多くしとめた方が勝ちw ってことで☆」
「な、何勝手に人を賞品にしてるわけ!?」
「じゃ、行くよ――」
「待てっつーに」
ばしっ!!
あたしの平手が二人の後頭部に激突する。
「本人抜きで話進めないでくれる? 結局あんた達何したいわけ?」
「何て……今日はが蜘蛛に入て一年目よ」
「……へ?」
「そうだろうとは思ってたけど…忘れてたのかい?」
「嘘っ!! も、もうそんな経つの……?」
「そうよ。だから折角祝てやろうと思たのに……」
「それ、ボクのセリフw」
「……」
「…もういいか? ヒソカ、行くよ」
「OKw 行こうか☆」
呆然とする私を置いて、二人は獲物を狩りに行った。
私の奪い合いをしに。
「……自分でも忘れてたのに」
覚えててくれたんだ………
「……うーん…何回数えても、どっちも29匹だよねー…」
「何故か!? 何故58匹しかいないね!!」
「それだけいれば充分だよ、フェイ…」
「それより、同じ数なのは気に入らないねぇ」
「そう、それが言いたかたね」
「……」
「どうするか? もう一度何かで勝負するか?」
「いいよ☆ じゃぁ何で勝敗を決めようか……」
「……も、いいよ」
私はおもむろに、二人に抱きつく。
「……っ?////」
「おやおやw」
「ありがと、二人とも。……すごい、嬉しい」
こんな気持ち、久しぶりで。
「ね、三人でデートしよっ! …仕事、一時間で終わっちゃったし……そうだ、今から行こっ♪」
何だか、いっぱいいっぱい。
「…には敵わないね」
「全くだよw」
「へへへっ//////」
たまにはこういうのも、
悪くないかも。
end.