今日も暖かくて気持ちEー…。


俺は指定席に着くまで、必死に眠気と戦った。






「ふぁぁぁぁ…」






屋上の扉の上。


学校で一番太陽に近いこの場所が、最近俺がよく寝ている場所。




…だけど、今日はお客さんがいたみたい。






「…誰ー…?」

















































< ホントの、First.>



















































問いかけてみたものの、その人は完全に熟睡してて、俺の存在に全く気づかない。



扉の上に行くためには、この子がもたれかかってる階段を登らなきゃいけないのに。





「んー? この子、どっかで…?」





あ、そうだ。隣のクラスの さんだ。


確かこの間、職員室のど真ん中で…







『え、私ちゃんと起きてる授業のが少ないけど』






って言って、先生たちに怒られてた人だ。


俺と同じで寝ぼすけさんなんだなーって思った。


実際、今も目の前で寝てるし。


さんも授業サボったんだー。まぁ、出ててもきっと寝るんだろうけど。





「ねぇー、さん」


さんってばー」


「5秒くらいでいいから起きてー?」





近くで喋ってみても、さんは全く反応しない。


前に俺も、忍足に同じような事で怒られたっけなぁ。


俺とさん、似てるのかも。





「………」





その時、俺は初めてちゃんとさんの顔を見た。


肌が白くて、真っ黒な髪がすごく映えてる。


さんて、すごいキレイ。






「んー…ダメ、眠い…」





俺はついに限界が来て、指定席に行くことを諦めた。


足を前に放り出して寝ているさんに、勝手に膝枕してもらう。





「気持ちEー…」




だんだん意識が薄れていく中、俺はそのフィット感が気に入ったのか、さんの足に覆いかぶさるようにうつぶせになって寝た。
































































「ん………」






遠くで、チャイムの音がした気がした。


チャイムで起きるなんて、俺にしては珍しい。


まだ眠いけど、すこしだけ目を開ける。





「んー…?」




頭の上に、軽い重力感。


よく見ると、それはさんの手のひらだった。


さんはまだ寝てる。


って事は、俺が寝てる間に起きたのかな…?


いつの間にか勝手に膝枕されてたのに、怒らないで、頭撫でてくれてたの?





さんて、優Cー…///








「…さん…?」




俺はさんの手を取って、身体を起こした。


一瞬、さんのまつげがピクン、と動いたけど、本人は起きない。





さんってば。…さん?」




すうすうと、寝息を立てるさん。








「ねぇ………――…?」








気づけば俺は、


少し開いたままだった彼女の唇に、自分のそれを重ねていた。





「………」





ゆっくりと開く、瞳。


目が、合っていた。





「!!///」


「……」




驚いて目を見開いたけど、やっぱり間違いなんかじゃなくて。


完全に目の覚めてる彼女の瞳は、瞬きすら忘れたように俺の瞳を見つめていた。






「あ、あの…///」


「…ごめん」


「へっ?」




今日、初めて聴いた声に、俺は目を丸くする。


だって俺、寝てる所に勝手にキスしたんだよ?


普通、俺が謝って、怒られるんじゃないの?





「な、何でさんが謝るの…?」




びっくりした俺は、思わず考えていた事を喋っちゃった。




「…あのね」


「…うん」




「私、最初から起きてたの」




「あ、そーだったの……って、…え?」



最初、って? どの、最初…?




「い、いつから…」


「…芥川君が、屋上に入った瞬間から」





……ホントに、最初の最初じゃん……。





「あ、あのっ、ごめんねっ? 勝手に膝枕してもらっちゃったり、俺、なんか無意識に…///」


「キス、しちゃったり?」


「!//////」





ダメだ、絶対怒ってる…。


俺は後悔でいっぱいで、思わず下を向いてしまった。





「…芥川君」


「ご、ごめんっ」


「芥川君」


「俺、ホントになんて謝ったらいいか…っ」


「………」




急に、さんは黙ってしまった。


俺は殴られるのを覚悟で、目を瞑った。







「……顔、上げて? ――…ジロー」


「!」







顔は、上げられなかった。


ただ、思わず目を開けていた。




目に映ったのは、


俺の目に映ったのは、





さんの顔だけだった。






「………」

「………」




一瞬だったのか、数秒だったのか。


全く解んない内に、唇は離れていった。





「…え? ………え?」


「何、その顔」


「だ、だって…!///」




「だって、ジローは私を名前で呼んで、キスしたでしょう? 私も『ジロー』って呼んで、キスしただけだよ」


「!!///」


「……何も、言ってくれないの…?」





さんは、じっと俺を見つめてきた。






「…前から、顔も名前も知ってたけど……今日、ヒトメボレした。……俺、が好きだよ」






俺も、の目を見て、言った。






「…うん。私も前からジローの事、知ってたよ? でも今日、ジローの寝顔にヒトメボレしちゃった。…ジローが好き」






すごくキレーに、は笑った。





「〜〜やっぱキレーだCー!!」


「!///」




俺は思い切りに抱きついた。


そしたら、今までクールだったの頬が反応する。




俺がそれを見逃すワケも無く、顔を覗き込むと、はさらに反応した。







「…あれぇ? ってばキレーだけど…中身は可愛い系なんだ?」






顔、真っ赤だよ?






「からかわないでよ…///」





からかった事はバレてるみたい。だけど真っ赤になった顔は、すぐ白には戻らない。






「嬉Cーんでしょ」


「…嬉Cーに決まってる…///」













あー、やばいなぁ。






俺、


珍しく、






本気になってるCー…///










































end.










■あとがき■


初ジロ夢ww

むしろ初テニプリ夢ですね;笑

それにしても漫画の方のジロちゃん意外とテンション上がってますね…笑

兄貴、早く漫画貸してくれ。



そんなこんなで、拙い文章でしたが、最後まで読んで下さった貴女に感謝です☆