早朝、いつも通りの時間に目を覚まし、いつも通りの場所においてある眼鏡をかける。
「………」
しかし今日は、全てがいつも通りでは無いようだ。
「お前の軍服は頂いた!!!」
そう広くは無い部屋の真ん中でそう叫ぶ部下を見て、ジェイドは今日も重いため息をつく。
< 軍服 >
「…返しなさい、」
「やーだよ。ジェイドが代わりにあたしのを着ればいい!!」
「どこまで俺様なんですかあなたは」
もう一度ため息を着き、ジェイドはベッドを降りる。
朝から不愉快な事が起きたせいか、眼光は鋭い。
「う…に、睨んだって、返さないんだからっ」
「では理由を聞かせなさい」
「はゎっ///」
瞬間、紅くなるの頬。
それを見て、ジェイドは何かを感じ取る。
「…解りました。返さなくて結構です。それはあなたに差し上げましょう」
「ホントに!?」
「ですから、ちょっとこちらに来て頂けますか?」
「はいっ!」
は嬉しそうにてくてくと駆け寄ってくる。
「なぁに? ジェイドっ」
「……」
そんなを、ジェイドは思い切り抱きしめた。
「ふぁっ…!?///」
はびっくりして顔を真っ赤にし、持っていた軍服をばさっと落としてしまった。
「はい、有難う御座いますw」
「はっ!!///」
気づくと、自分から手を離したジェイドの腕には、さっきまで自分が持っていたはずの軍服が。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!」
「まだ朝ですよ。静かにしなさい」
「だってだってだってぇ!! きゅ、急に抱きしめてくれたと思ったらっ///」
「抱きしめて『くれた』?」
「!!///」
口をパクパクさせるを見て、ジェイドは少し微笑む。
「…好きでもない相手を抱きしめるなんて、私には出来ないんでね」
「ふぇっ!?///」
「さ、着替えるんで出て下さい。 …それとも見ている気ですか?」
「でっ、出て行くさっ!!///」
ばんっ!! と音を立て、扉が閉まる。
「……私もやきが回って来ましたかねぇ……」
しばらく自分がした事を恥じ、ジェイドは気持ちを切り替えて着替えだした。
さっきまで彼女が抱きしめていた軍服を着て。
愛する人が待つ職場へ赴く為に。
end.