―――黙過敬遠範囲 温ま湯の中に浸す身体に 絡みつく醜悪心 今日も日差しは真っ赤に染まり 突き刺すように降り注ぐ 文字の羅列に息を吐き切り 姿の見えぬ貴方を探す 期待と現実 身を任せど 姿の見えぬ貴方は見えぬ 嗚呼 声を枯らす程に叫んでも 愛の遊戯は独り善がりで 貴方を想い声を漏らせど 濡れし瞳は空を仰いで 何も見えぬ暗闇の中たった一度見えた微かな光追って 此処まで辿り着いて待っていたのはお預けと無い者強請り 雑音は雑音の儘私の中で言葉へと姿を溶かして逝く 口から飛び出て行くのは 欺瞞偽善犠牲…… まどろむ夢から目覚める事を 恐れた儘で 現実で刃を握る事は そう簡単な事じゃない 血塗れの手で握るモノが 大切と云えるモノならば 離れ行くのに手を握れぬ 貴方を好きだと云えるのか 嗚呼 流されて頷いた事 今思えば其れも一興 紐解かれる其の前ならまだ 貴方を愛す事も躊躇えた 忘却れられるもの為らば今更こうして嘆いている筈も無い 理由も解らぬ裏切りに身を焼かれる痛みすら知らずに 信頼も低劣な思想と云えど知らぬ間に絆されて行くのだから 頭の中で過ぎ去るのは 自尊自慢自虐…… 「私程愛された者も居やしない」 そんなもの只の自己満足の戯言 善くて三ヶ月 悪して二日 そんな女の舌に転がされて 嗚呼 声を枯らす程に叫んでも 愛の遊戯は独り善がりで 嗚呼 流されて頷いた事 今思えば其れも一興 嗚呼 荒れた部屋に埋まる空気 焦点の合わぬ瞳が 見つめて居るのは貴方 …其れさえも識らないでしょう? 忘却れられるもの為らば今更こうして嘆いている筈も無い 理由も解らぬ裏切りに身を焼かれる痛みすら知らずに 信用も低劣な思想と云えど知らぬ間に絆されて行くのだから 何も見えぬ暗闇の中たった一度見えた微かな光追って 此処まで辿り着いて待っていたのはお預けと無い者強請り 雑音は雑音の儘私の中で言葉へと姿を溶かして逝く 口から飛び出て行くのは 「……」 嗚呼 今日も又数が殖える 日記帳に丸が殖える 嗚呼 受け身で待つ事を識る 貴方が来ない事を識る