罪の意識など無い。
私は、貴方の側にさえ居られたら…それでいいんだ。
< 罪の十字架 >
「陛下、今日もいい天気ですよ」
「あぁ…」
今日も、そう、いい天気。
だけど、ピオニー陛下もまた、今日も上の空。
陛下ととても仲の良かった――アスラン・フリングス少将が命を落とされてから、ずっと。
「なぁ、…本当にアイツ、もう戻ってこないのだろうか」
「…来ませんよ」
「……レプリカでもいいから…もう一度、会えないのだろうか」
「…会えませんよ」
「だったら…」
「陛下っ!!」
私は、思い切り陛下に抱きついた。
ここは陛下の私室。ブウサギ以外、誰も居ない。
「もう、居なくなった者の影を追うのはお止め下さい。
…民にそのお姿を見せぬよう頑張られているのは知っています。だから、私にだけそんなお姿を見せてくれるのが嬉しかった…。
だけど、私は悲しい。陛下には、前のように笑っていただきたいのです。陛下と、私と…そして、フリングス少将と三人でいたあの頃のように…」
「……」
陛下は、ゆっくりと私を抱きしめた。
「俺は……お前が居てくれれば、きっとまた…笑えるようになる。アスランも、きっと、それを望んでいるよな…?」
「…当たり前です……!」
陛下は、知らない。
「…有難う…」
「陛下…」
戦場で、後ろから銃口を突きつけられたフリングス少将。
どうして、少将ともあろう者が背後を取られた?
答えは簡単だ。
今、こうして貴方と共に涙を流している―――私がやった。
いつも共に笑っていた。
戦場では背中を預けていた。
そんな私からの攻撃を、避けられるはずがない。
「陛下は…私が守ります」
その涙は偽り。
その微笑は真実。
憎しみは生まれ変わり、狂おしい程の愛情へと移り変わる。
罪の意識など無い。
例えどれ程、貴方が涙を流そうと、
私を選んでくれるなら。
貴方を裏切ってでも、貴方の一番側に居続ける。
心に罪の十字架を背負いながら。
end.
■あとがき■
暗いしグロい…orz
ていうか、私ピオフリ大好きな人なんで、アスラン死んだ時とレプリカアスラン出てきた時本気泣きました((泣
なのに何書いてんだかね…
仕方ないさ、浮かんじゃったネタはね、うん。
というわけで、結構短めなドリー夢でしたが、お後が宜しくないまま終ります。拝。